太陽光発電を設置する理想的な屋根は? 公開日:2022年07月30日 土曜日 最終更新日: 2024年06月19日 水曜日 カーボンニュートラルの実現に向け、これから新築一戸建ての太陽光発電の標準装備が義務化されていくことなどから、各住宅メーカーでも太陽光発電の標準化が進んでいますが、住宅の屋根に太陽光パネルを設置する際には、まずどのくらい載せられるかが重要です。じつは屋根の形状や向きによっては、載せたくても載せることができない場合があるのです。そこで今回は、太陽光パネルを載せるおすすめの屋根形状や、発電効率のいい屋根の向きや勾配についてご紹介していきます。 目次屋根形状の種類と太陽光パネル設置寄棟屋根・方形屋根切妻屋根片流れ屋根差しかけ屋根越屋根太陽光パネルを載せるのは南面だけ?屋根勾配による発電効率の違いまとめ 屋根形状の種類と太陽光パネル設置 寄棟屋根・方形屋根 寄棟(よせむね)屋根・方形(ほうぎょう)屋根は4面を寄せあわせた形の屋根で、1面あたりの面積が小さくなるので、南面に載せられるパネルの量は減ります。しかし南面と東面または南面と西面の2方向に太陽光パネルを設置したり、南・東・西の3面設置をすることにより、ほかの屋根形状で南面のみにパネルを設置したときよりも多い発電量が得られる場合もあります。 ただし寄棟屋根・方形屋根ともに1面あたりの面積が狭いため、各面に載せられるパネルの数は基本的に少なくなります。発電量を最大化するためには三角形のパネルを利用することが理想ですが、通常のパネルに比べて非常に高価になります。屋根形状にフィットする見た目で、発電量の増加に期待することができますが、パネルの価格と設置工事費用を含めた金額との費用対効果でバランスをとることが大事です。 切妻屋根 切妻(きりづま)屋根は一般的な三角形の屋根です。ひとつの面が広いので、比較的太陽光パネルを設置しやすい形状です。 南面のみ、もしくは東面と西面の両面にパネルを設置するケースがあり、基本的に5寸勾配であることが多く、後述する太陽光パネルを設置する理想の勾配に近いので、発電効率がよいとされています。 片流れ屋根 片流れ屋根は効率的に多くの太陽光パネルを載せられるため、傾斜の向きが南面の場合は太陽光パネルを載せる理想的な形状ですが、傾斜の向きが北面だと設置が難しくなってきます。新築住宅の場合、あらかじめ太陽光パネルを設置する前提で屋根の向きを設計している場合も多いです。 差しかけ屋根 差しかけ屋根は切妻屋根のように2面からなる段差の付いた形状の屋根です。片側の屋根の面積が多くなるので、片流れ屋根のように太陽光パネルの設置に向いています。 越屋根 越屋根は屋根の上にもうひとつ設けられた小さな屋根のことです。通気性と採光に優れた屋根形状ですが、一般的には太陽光パネルの設置には不向きとされています。しかし越屋根の位置や形状、その下の屋根の平らな部分のスペースが十分に確保できれば、設置することが可能ですのでお気軽にご相談ください。 太陽光パネルを載せるのは南面だけ? 南面の屋根に太陽光パネルを設置した場合の発電量を100%とした場合、東面・西面の屋根に太陽光パネルを設置した発電量は約85%です。一般的に南面の屋根だけにパネルを設置する場合が多いのですが、意外と東面・西面に設置したときの発電量が、南面と比べてわずか15%のダウンにしかならない事実をご存知ない方が多いのです。お客さまの中でも、太陽光について熱心に勉強されている方は、南面と東面または南面と西面の2方向に太陽光パネルを設置される方もいらっしゃいます。また前述したように、寄棟屋根や方形屋根の屋根で南・東・西の3面設置をして、大容量の発電で蓄電池を使い、自家消費に徹しているご家庭も急速に増えています。マンションやビルに多い、陸屋根やスカイバルコニーなどの平らな作りの屋根は、屋上を有効活用して太陽光パネルを設置することができます。屋根の傾斜がないため架台によってパネルに角度をつける必要があるので、その分の費用が発生してしまいますが、パネルの向きを自由に設計できるため発電量のメリットは大きいです。 屋根勾配による発電効率の違い 一日を通して、最も効率的に太陽光が当たる屋根の角度は30°といわれています。30°の屋根というと、寸法でいうところの5.5寸~6寸にあたります。30°の屋根の角度を発電効率100%とした場合、20°の屋根では発電効率は98%と、発電効率にそこまで大きな差はありませんが、単純な面積比でいえば、3~4寸の屋根に比べて5~6寸以上の屋根の方が広くなるので、物理的に太陽光パネルを載せられる面積が変わってきます。また太陽光パネルを屋根に設置する際、メーカーごとに定められた離隔距離を設ける必要があります。簡単にいうと、太陽光パネルを屋根の外周からどのくらい離さなければならないか、ということです。安全上の理由で、屋根の端から端までピッタリ載せることはできないのです。 まとめ 屋根の形状や角度によって太陽光パネルを載せられる面積が変わってくるので、思ったより載らない、ということも考えられます。発電量を最大化するためにはどのように設置したらいいか、事前にシミュレーションしておくことが大事です。シスコムネットでは、4000件以上の実績に伴った施工経験によりお客様の屋根に最適な提案をしております。無料でお見積りまで行っていますのでぜひお気軽にご相談ください。 次回予告 今回は屋根形状の種類や角度についてお話ししましたが、次は屋根の材質と太陽光発電の相性、そして施工方法の種類について詳しくご紹介します! 次の記事 アンテナを小屋裏に設置するメリットとは? 前の記事 EVコンセントを設置する際の注意点とは? 関連記事 2024.06.21ハンファジャパンの新製品!Q.TRONシリーズの特徴と利点 2023.12.22蓄電池はどこにでも設置できる?設置に向いてる場所・向いてない場所とは? 2023.07.22【解説】業界最長保証!マキシオン製太陽光パネルの魅力とは? 2023.05.09蓄電池の選び方!特定負荷型と全負荷型の違い