おひさまエコキュートのメーカーによる違い
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最終更新日: 2024年06月19日 水曜日
おひさまエコキュートは、昼間に太陽光発電で発電した電力をメインに使用して給湯器の沸き上げを行う自家消費型の新しいエコキュートです。
近年の地球環境問題への関心の高まりや電気代高騰の影響を受け、弊社のホームページの中でも非常にお問い合わせが多い商品となっています。
エコキュートと違ってまだ選択肢が限られているおひさまエコキュートですが、各メーカーによって性能や機能にはどのような違いがあるのか、カタログを参考に比較してご紹介します。
おひさまエコキュートについて詳しく知りたい方はコチラのページを御覧ください。
各メーカーに共通する部分
それぞれの違いをお話する前に、まずは各メーカーに共通する部分をご紹介します。
タンク容量
最初に、沸かしたお湯を貯めておく貯湯タンクの容量についてですが、これは現在発売している4社(ダイキン・パナソニック・コロナ・三菱電機)とも同じく、エコキュートの中でも最も人気が高い370L(3人~5人向け)と460L(4人~7人向け)の2種類展開となっています。
2人~4人向けの300L以下や大家族向けの500L以上など幅広いタンク容量が用意されているエコキュートと違って、選択肢が多くないところは現状でのデメリットといえるかもしれません。
また、狭小住宅向けの薄型のおひさまエコキュートというのも現時点では発売されていません。
専用アプリ
メーカーにはそれぞれ遠隔操作などを可能にする専用のスマホアプリが用意されています。
離れた場所からお風呂を沸かす、タンクの使用可能湯量を確認するなど基本的な機能に大きな違いはありませんが、災害対策機能や、エアコンなどそのほかの製品もまとめてコントロールできるかどうか、などに違いがあります。
補助金情報
それから、みなさんが気になるであろう補助金について、こちらは経済産業省より高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金として「ヒートポンプ給湯機(エコキュート&おひさまエコキュート)」「ハイブリッド給湯器(エコワンソーラーなど)「家庭用燃料電池(エネファームなど)」の3種の給湯器に対して、それぞれ補助金が出ることになりました。詳細は以下のとおりです。
省エネ基準値をクリアしていることなど条件はあるものの、こちらはメーカーにかかわらず補助を受けることができます。ただし、一戸あたりの台数制限があり、戸建が2台、共同住宅が1台までとなっております。
2023年3月下旬から補助金交付申請開始の予定ですので、あらためてご案内させていただきます。
なお特定の製品が補助金の対象かどうかはこちらのサイトから型番やメーカーから検索できます。
各メーカーの違い
それでは各メーカーの違いについて解説していきます。
ダイキン
専用アプリ
ダイキンの専用アプリは「ダイキンスマートアプリ」です。
エコキュートだけでなく、エアコンや空気清浄機など複数のアプリ対象製品をこれひとつで操作できます。
おひさまエコキュートとしては基本的な給湯機能や追い焚き機能に加えて、お風呂の冷め方を学習し効率的に保温する「エコふろ保温」や配管内に残った水を自動で注水して洗う「自動ふろ配管洗浄」、キッチンとお風呂場など異なる温度で給湯できる「ツイン給湯」など豊富な機能が備わっています。
また、非常時にタンク内の水を使用できるように非常用水コックが標準装備されています。
給湯圧力320kPa
ダイキンの特徴としてパワフル高圧給湯という機能が備わっています。
2箇所同時給湯も可能で、たとえばお風呂とキッチンで同時使用しても水圧が下がらず安心だということです。
もともとエコキュートのデメリットとして度々水圧が低いという点が挙げられますが、現状最もこの問題を解消しているおひさまエコキュートはダイキン製ということになります。
エコキュートであればパナソニックなどでも高圧給湯モデルが存在しますが、おひさまエコキュートではほかに発売されていません。
※22年12月に三菱電機から高圧対応のおひさまエコキュートが発売されましたが、給湯圧力はダイキン製のほうが高いです。
ウルトラファインバブル入浴
オプション機能として別売のアダプターを購入することで、ウルトラファインバブル機能を使用できます。美肌効果や洗浄効果もアップして、より快適なバスライフが楽しめます。
本体価格
370Lモデル 946,000円+別売りリモコン(55,000円)
460Lモデル 1,050,500円+別売りリモコン(55,000円)
2023年2月時点の税込価格
部材費や工事費、オプション機能を除いた価格ですが、定価ではほかの3社に比べて約10万円ほど高くなっています。
リモコンが別売であることもご留意ください。
パナソニック
専用アプリ
パナソニックの専用アプリは「スマホでおふろ」というエコキュートの専用アプリです。
シンプルなUI設計で非常に操作しやすいイメージで、実際にWeb上でもアプリの操作をお試しすることができます。
基本的な外出先からの沸き上げ以外にも、残り湯の熱を逆にタンクにチャージして省エネを図る「ぬくもりチャージ」機能や、節約効果をわかりやすくグラフで確認できたり、離れて暮らす家族のお湯の使用状況を確認できるなど、機能の幅が広いのが特徴です。
また、災害対策としてエマージェンシー沸き上げ機能があり、あらかじめ選択した警報や注意報が発令されると自動であらかじめお湯をたっぷり確保しておき、警報が解除されると自動でストップします。
エコキュートに異常が発生している場合はエラー通知がスマホに表示され、原因究明や修理依頼がスムーズに行なえます。
給湯圧力320kPa
水圧は一般的なエコキュートと変わらず190kPaです。
AIエコナビ
浴室に設置するリモコンにひとセンサーがついているので、入室を検知してお湯を温めてくれます。
また、AIがお湯の冷め方を学習する湯温学習制御機能で浴室に誰もいないときには温度の検知を繰り返さなくなります。浴室に人がいるときだけお湯を温めるAIのおかげで省エネ性能がアップします。
耐震性
貯湯タンクが4本足の設計で、もしもの揺れを分散することによって震度7相当に耐える耐震クラスS対応の設計になっています。
停電のときでもシャワーや蛇口からお湯が使えますし、設定している沸き上げモードや時刻なども記憶されていますので安心です。また、断水した場合でもタンクから直接水を取り出せるコックもついていて、エマージェンシー沸き上げ機能と合わせて考えても、災害対策に重点を置いて考えられた設計なのが特徴です。
本体価格
370Lモデル 819,500円+別売りリモコン(56,100円)
460Lモデル 904,200円+別売りリモコン(56,100円)
2023年2月時点の税込価格
どちらのモデルも別売りのリモコンと合わせても100万円以下で購入できるため、おひさまエコキュートの中では比較的安価といえます。
コロナ
専用アプリ
コロナの専用アプリは「コロナ快適ホームアプリ」です。
対応機種は現在同社のエアコンとエコキュートのみですが、おひさまエコキュートをスマホで操作する分には不自由なくお使いいただけます。
遠隔操作や、お湯の使用量や貯湯量を確認する見える化はもちろん、お子様や高齢のご家族など入浴者の様子(入室を検知したり長湯をお知らせします)をスマホから確認できます。また、ご自宅だけでなく遠隔地にある機器の使用状況をアプリでチェックできます。お湯が使われているか、入浴時間は長くないか、離れて暮らすご家族の見守りも行えます。
もしも停電や断水の発生が予測される様な災害時にアプリを操作し、レジリエンス機能を設定すると停電に備えてタンクを満タンにしたり、浴槽へ水張りを行うことができます。
給湯圧力320kPa
水圧はパナソニック製と同じく、一般的なエコキュートと同様の190kPaです。
入浴お知らせ機能
アプリの機能とは別に台所や浴室に設置するリモコンにも見守り機能が備わっています。
浴室リモコンに搭載された人感センサーを通じて、入室から入浴開始、退室までを台所リモコンのランプを点灯してお知らせします。
また、湯上がりタイマー機能で長湯をお知らせし、その後も居眠りなどで入浴中の動きが小さい場合は、ランプとお知らせ音で入浴者への声掛けを促してくれます。
本体価格
370Lモデル 1,040,600円(リモコン込)
460Lモデル 1,138,500円(リモコン込)
2023年2月時点の税込価格
上記2社と違ってリモコン代を含めた値段で、ダイキン製の合計金額とほぼ同等の価格となっています。
三菱電機
専用アプリ
三菱の専用アプリは「MyMU」です。
おひさまエコキュートのほかにエアコンや換気システムなどの住宅設備と冷蔵庫・炊飯器などのキッチン家電などを一緒に操作することが可能です。
給湯圧力290kPa
ハイパワー給湯という機能があり、今までダイキンの製品にしかなかった高圧での給湯が可能です。
シャワーは3階建てまで、湯はりは2階まで可能で、シャワーの勢いが変わりづらいということです。また、耐震性能が高く、非常時も取水しやすい設計で、断水や停電に強いのが特長です。
本体価格
370Lモデル 910,000円+別売りリモコン(70,000円)
460Lモデル 998,000円+別売りリモコン(70,000円)
2023年2月時点の税込価格
同じく高圧給湯が可能なダイキン製と比べるとやや給湯圧力が下がりますが、価格も数万円安くなっています。
まとめ(比較)
370Lモデルの価格比較(リモコン込み)
- ダイキン
- 1,001,000円
- パナソニック
- 875,600円
- コロナ
- 1,040,600円
- 三菱電機
- 980,000円
最後に各メーカーの本体価格を比較するとこのようになります。
また、それぞれの特長を簡単にまとめると、高圧給湯が可能なのがダイキン製と三菱電機製。一番価格が低いのがパナソニック製で、コロナ製は見守り機能など安全機能が大変充実しています。
同じおひさまエコキュートでも水圧やオプション、災害対策用のアプリや設計など思った以上に違いがあるようです。
小さなお子様がいるご家庭や遠く離れた家族が心配な方、また、お客様自身がおひさまエコキュートに対して何を望むのかなど、それぞれの家庭状況によって選び方が変わってくると思います。
機種選定も含め、おひさまエコキュートについて詳しく知りたい方はお気軽にご相談ください。
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