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【解説】LANケーブルの最新規格は使われない?

公開日: 最終更新日: 2024年06月19日 水曜日

さて前回の記事では5e、6、6Aをメインで紹介しましたが、LANケーブルには6Aよりも新しい規格があります。それがCat.7Cat.8(8.1)と呼ばれるLANケーブルです。
それなら最新規格のケーブル使った方がいいのでは?と思われる方もいらっしゃるでしょうが使われていないのには
様々な理由があるのです。今回は最新規格ケーブルのネックとなっている部分を解説したいと思います。

前回の記事はこちら

Cat.7・ Cat.8が使われない理由

コネクタの形状の違い

これまでLANケーブルのコネクタはずっと同じ規格の『RJ-45』が使用されてきました。しかし、Cat.7のコネクタでは従来のコネクタである『RJ-45』と全く互換性のない『TERA』、『ARJ-45』、形状の互換性はあるが、Cat.7のケーブルとしては機能しない『GG-45』という3つのコネクタが採用されました。つまり、今まで使用していたハブやルーターなどの機器がすべて接続することができず機器を更新しないと使用することができない上対応している機器自体がほとんどありません

Cat.8は『RJ-45』のコネクタに戻りましたが、40Gbpsの伝送速度に対応した機器が現状存在しないため、10ギガ対応の機器が続々と出てきている今、Cat.6Aは最適解と言えるのではないでしょうか。

対応している周辺機器がない

上記で話したようにコネクタの形状が異なるので、周辺機器も更新を余儀なくされるのですが、ルーターなど周辺機器でコネクタの形状に対応しているものがほとんど存在していません。
速度的にも対応している機器は殆どありませんので一般の家庭で使用することは難しいですし、
選択する意味も現状無いといえるでしょう。

STPケーブルのみしかない

前回の記事にある、線の内容の話で触れましたが、アース処理が必要といわれるSTPケーブルのみなので配線をしたとしても性能をきちんと発揮できるようにするためにはハードルが非常に高くなっています。
一般家庭で使用するならアース処理の必要もなくて取り回しのいいUTPケーブルを使用しましょう。

前回の記事はこちら

取り回しの悪さ

 Cat.8のスタンダードタイプはノイズ耐性が非常に高いのですが、その分Cat.6Aのケーブルより太くなっており、なおかつ線が非常に固くなっており取り回しが非常に悪くなっています。

長さの制限

一般家庭ではあまり関係ないかもしれませんが、Cat.8の性能を生かしきるにはケーブルの長さを30m以内にする必要があります。cat.7以下のケーブルは伝送距離が100m確保されていますのでCat.8ケーブルの対応できる長さが非常に短くなっていることが分かります。

そんなCat.7とCat.8のLANケーブルは一般家庭ではほぼ使われていませんが、ノイズの多い工場やデータセンターなど、特殊な環境下で使用されることが非常に多くなっています。

そもそも一般家庭での使用を目的としていない?

LANケーブルは数字が増えていくにつれて最新の規格となっており、スペックではすべて前のカテゴリの上位互換にあたるが、一般家庭では必要とされていないSTPケーブルのみの仕様となっています。各撚り対にそれぞれシールドを追加し、ケーブルの全体にもシールドを施すことでクロストークやノイズに非常に高い耐性を持つ性能になっています。つまり産業用やサーバーなどの設備で利用する目的で作られていたため、基本的に一般家庭では使用されることはおそらく今後もないでしょう

Cat.7やCat.8のケーブルが売っている?

たしかに大手家電量販店にはCat.7や8のLANケーブルが販売されています。しかしそれはCat.7や8の規格に正式に準拠したものではありません。ケーブルは規格上必ずSTPケーブルと決められていますがUTPケーブルが使用されている場合があったり、互換性を持たせるためにコネクタは従来使用されていたRJ-45で作られています。Cat.7や8の規格を満たしておらず、8の速度に対応した機器はないので、基本的には6Aとほとんど変わらない性能でしょう

購入する意味はあるのか?

上記の通り家電量販店には普通に販売しており、レビューなどの見てもケーブルを変更したことで『インターネットが早くなりました』、『ネットが安定しました』などの意見が見受けられます。Cat.8の速度は出ませんが、6Aと同程度の速度は出るようになっていますのでCat.5eなどから買い替えをするとわかるような速度の変化は出るのかもしれませんが、それはおそらくCat.6Aに変更するのと同程度ですので、Cat.7や8のケーブルが6Aよりも安いのであれば購入する意味もあるかと思いますが、規格準拠している6Aを購入することが安心で間違いないでしょう。

Cat.8ケーブルの競合となるInfiniBandとは?

Cat.8用の40ギガ対応機器に至ってはコントローラの消費電力が大きすぎるなどの理由により開発自体が遅れていたようです。2018年6月にCat.8の配線規格が承認されていますが、21年8月に富士電線株式会社で開発に成功し製品化を目指すということです。しかし同じようなデータ転送機能を持つ『InfiniBand』と呼ばれるスーパーコンピューターのノード間の接続に使用される規格が実効50Gbpsのデータ伝送すでに実現していたため、Cat.8対応の機器が出なくて待ちきれずにInfiniBandを使用する例が多く、使用されないことで開発が進まないのに拍車をかけてるようです。

世界最速のインターネットはどれくらい?

ちなみにインターネットの速度はインフラの発展状況により世界各国で速度が違いますが、世界最速のインターネットはどこが出したものなのでしょうか?

2023年2月現在の最高速度は2022年10月に発表されたものでデンマーク工科大学(DTU)とスウェーデンのチャルマース工科大学の国際研究グループは、1つのレーザーと1個のフォトニックチップを使って、データストリームを数千のチャンネルに分割し、毎秒1.8ペタビットパーセカンド(1.8Pb/s)の速度で7.9キロメートルにわたって送信することに成功しました。現在インターネット全体の全世界のデータ流通量が毎秒1ペタビットパーセカンド(1Pb/s)程度と言われており、今回の研究成果はそれの約2倍に相当するデータ量になります。

ソース元:https://www.nature.com/articles/s41566-022-01082-z

文字通り桁違いの速さなので凄さが伝わりにくいと思いますが、全世界のデータの量を送ることが可能となっています。そもそもペタってなに?と思われる方も多いでしょう。スマートフォンの容量などで最近はよく聞くようになったギガバイトですが

1000ギガバイト = 1テラバイト
1000テラバイト = 1ペタバイト
です。

まとめ

今回は、Cat.7・ Cat.8が一般家庭では使われない理由と、それら最新規格を導入する際のデメリットをご紹介しました。

キャッシュレス化が進んだり、マイナンバー発行を勧めるなどデジタル化が進む現代日本では、サーバールームデータセンターなどデジタル化社会のライフラインともいえる中心部は、いち早く最新規格の導入に取り組む必要があるかもしれませんが、ビジネス用途でも使用のハードルが高くおそらく一般家庭で使用されることはないのではないでしょうか。
しかし、これらの通信業界は非常に目まぐるしく新しい技術や新製品の情報が更新されていきます。
これからの私たちの生活に必要不可欠なインターネットの最新情報、こまめにチェックしてみてはいかがでしょうか。

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