住宅のトレンド、ZEHって知ってる?
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最終更新日: 2024年06月19日 水曜日
太陽光発電や電気自動車が普及し始め、今や企業や行政だけでなく私たちにとっても環境問題を改善するための取り組みは他人事ではなくなってきました。そんな昨今、環境に配慮した住宅のカタチがこれからの住宅の当たり前になることをご存知ですか?
今回はこれからの住宅に欠かせない「ZEH」についてご紹介します。
ZEHとは?
私たちが日々、お家で料理をしたり明かりをつけたりお風呂に入るなどして消費している住宅の電気エネルギーの年間消費量をおおむねゼロにしようという取り組みとしてZEH(ゼッチ)というものがあります。
ZEHとはNet Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略称で、年間で消費する1次エネルギーの収支を極力ゼロにすることを目指した住宅のことです。
高断熱サッシや高効率な空調設備を採用し消費する1次エネルギーを減らし、太陽光発電システムなどを利用しエネルギーを創ります。
政府はカーボンニュートラルの達成に向けて、2030年までに新築住宅の半数以上でのZEHの実現を目指し、同じく新築住宅の6割に太陽光発電を設置することを目標としており、ZEHはこれからの私たちの新たな住宅の当たり前になることでしょう。
参考:資源エネルギー庁
ZEH住宅に必須!4つの基準
ZEHの三大要素は断熱・省エネ・創エネで、これらをかけ合わせた住宅にすることで、エネルギー収支がゼロ以下になるエコな暮らしが実現できるのです。
正式にZEH住宅として認定を受けるためには、以下の4つの基準を満たしている必要があります。
ZEH住宅の4つの基準
・断熱性能が基準値以上であること
・省エネ性能の高い設備の導入
・再生可能エネルギーの設置
・HEMSの導入
断熱性能
住宅にとって断熱がいかに重要かご存知ですか?高性能なグラスウールなどの断熱材を使用することはもちろん、じつは窓やサッシなどは意外な落とし穴で、住宅における熱の出入りが一番多い部分なのです。
住宅の断熱性能は「UA値(外皮平均熱貫流率)」という指標で表され、この数値が低いほど断熱性能が高いとされています。
ZEH住宅の基準としては地域によって気候の差があるため、全国を8つの地域に分けて基準値が設けられていて、より高い等級であると高額な補助金を受けられる場合もあります。
例えばLIXILの「サーモスX」はガラスが三重構造になっているため高い断熱性を誇り、樹脂とアルミからなるハイブリッドなフレームで軽量化&耐久性に優れた商品で、このような高性能な断熱窓を取り入れることによって、空調の電気代が節約できるという点でも優れていますし、これから語る省エネ・創エネにも大きく関わってきます。
断熱性能を高めることで余計な電力を使うことなく「夏は涼しく、冬は暖かい」理想の住宅になるのです。
省エネ性能
省エネについても明確な基準が設けられており、ZEHとして認められるには空調・照明・換気・給湯において一次エネルギーの消費量をこれまでより20%以上削減することが求められています。
一次エネルギーとは石油、石炭、天然ガスなど自然界のエネルギーのことをいい、例えばエコキュートを導入したりお家の照明をすべてLEDにすることによって一次エネルギーを削減することができるでしょう。
再生可能エネルギー(創エネ)
太陽光発電を導入して、電気を自宅で生み出せるようにすることはZEH住宅に必要不可欠です。日常生活のエネルギーをまかなうことはもちろん、もしもの停電時にも太陽光発電システムがあれば安心して過ごせます。
近年では売電価格が下がってきていることや、固定価格買取制度(FIT)が順次満了することにともない、余った電力を電力会社に売って利益を得るよりも、蓄電池や電気自動車(EV)などを導入して余った電力を貯めて自宅で使用する「自家消費」のニーズも高まってきています。
電気代を削減しながら無駄なく日々の生活に活かすことができますし、後述するHEMSとあわせて導入することで、追加の補助金が出る地域もあるなど大変お得な組み合わせです。
HEMSの導入
HEMS(ヘムス)『Home Energy Management System』を導入することにより、家の電力の「見える化」をすることができます。
スマートメーターから情報を取得しモニターやアプリなどから、家庭でどこにどのくらいの電気を使用しているのかひと目で確認することができ、どの時間帯の電力消費が多いのかなど確認することで節電する意識が高まるといわれています。
また、HEMSに接続されている機器の自動制御など電気機器をコントロールする機能が備わっているので、省エネに役立つシステムとなっています。
ZEHにするメリット
光熱費の削減
基本的にZEH住宅は断熱性能、つまりは気密性を非常に高めているので、室内を冷やしたり、温めたりしたときに室温が長く保てます。ですから電気代の多くを占める冷暖房の光熱費を抑えることができます。
さらに太陽光発電で自宅の電気を発電、および売電することで、光熱費削減に貢献することができる上に光熱費をゼロまたはプラスにすることが可能かもしれません。
災害時の備え
近頃は台風や大雨などの自然災害によって、復旧するまでの間電気が使えなくなることなどがありますが、V2Hや蓄電池を設置することにより発電した電気を蓄えておくことができるので、もしもの停電時や災害が発生したときもいつもと変わらずお風呂に入ることができますし、冷蔵庫の中身の心配をする必要もなくなります。
ヒートショック対策
急激な気温の変化によって血圧が変動することによって、脳卒中や心筋梗塞を引き起こすヒートショック。
特に真冬に脱衣所やお風呂場など、暖房のついている部屋からついていない部屋へ移動したときに起こりやすい症状ですが、ZEH住宅はその高い断熱性により家全体の気温差が少ないため、ヒートショックの軽減につながります。
補助金制度
ZEHは環境省・国土交通省・経済産業省が連携して積極的に支援している制度であり、2022年度時点では一戸につき55万円の補助金が支給され、さらに条件を満たすことで追加の補助金も受けられると発表されています。
ZEHは導入する設備や一次エネルギーの削減率により等級分けがされており、より高いZEH性能を導入しているZEH+や次世代ZEH+といった住宅には補助金の額も多く支給されます。
詳細:環境共創イニシアチブ
また自治体独自の補助金も受けられることもあるので、お住いの地域のホームページをよくご確認ください。
これらの補助金は先着順であったり、審査がともなう場合があるので、詳しくは弊社までお気軽にお問い合わせください。
ZEHにするデメリット
さて、ここまでZEHのよいところを語ってきましたが、ZEH住宅に暮らすには太陽光発電をはじめ、たくさんの機器やシステムを導入する必要があるので、当然デメリットとしてはイニシャルコストの増加が挙げられます。
高性能なエアコンや窓、いままでなかったHEMSという新しいシステムなどひとつひとつの製品がこれまでより高額になりがちですが、政府はZEHを推奨するために多数の補助金を用意していますので、想定よりも低い金額で導入することができます。
そしてZEHはエネルギー収支がゼロ以下にすることを目指した住宅ですので、非常にランニングコストが低く、いままで払っていた電気代がほとんどかからなくなるとすると、最終的にはとてもお得になるのです。
弊社は補助金の申請の代行をはじめ、ZEHやHEMSを導入するためのお手伝いを行っております。
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