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分電盤に寿命はあるの?交換目安はどのくらい?

公開日: 最終更新日: 2023年07月11日 火曜日

分電盤とは

停電したとき、みなさんが真っ先に確認するであろうブレーカー。あのブレーカーというスイッチをまとめている箱のことを分電盤といいます。
分電盤はその名のとおり、自宅の電気をそれぞれの部屋に分岐するための機械で、電子レンジやエアコンなど使用電力の大きい一部の家電製品などには専用回路が用意されています。

回路をいくつか分けておくことによって、例えば子ども部屋で電力を使いすぎた際には、子ども部屋のブレーカーだけを落として、ほかの機器を止めずに回路を遮断することができます。
ブレーカーを落とすことで、必要以上の電流が流れて回路がショートするなどのトラブルを事前に防止する安全装置としての役割も持っているのです。

それ以外にも、分電盤には万が一の漏電を防ぐために漏電遮断器がついています。これがあることで火災や感電事故を防ぐことができます。
また、最近だと家の中でどのくらい電気を使っているか確認できるようになっている分電盤もあります。

古い分電盤を使い続けるのは危険

そんな分電盤ですが、じつは普通の家電製品と同じように寿命があるのをご存知ですか?
洗濯機やエアコンなども10年以上経つと段々と不調が目立つようになり、買い替えを視野に入れることがあるように、分電盤も経年劣化によってトラブルを起こしやすくなります。

分電盤は法定耐用年数が15年と定められており、各メーカーも10〜15年が交換の目安であるとして、多くのメーカーは13年を目安に交換を推奨しています。
【パナソニックよくある質問より】

古い分電盤を使い続けると、過負荷や回路のショートなどが発生してもブレーカーが正しく落ちず、火災などの大きな事故に繋がりかねません。

分電盤交換が必要なケース

分電盤図解

今までアンペアの上限を上げたいという場合は、契約プランを変更しアンペアブレーカーを交換するだけで問題ありませんでしたが、2016年4月の電力自由化以降、本体に通信機能を備えたスマートメーターに移行し、契約アンペアの制御はスマートメーターで行うようになりました。

これに伴ってアンペアブレーカーの生産が終了し、交換を行うことができなくなりましたが、分電盤交換をしなくても対応は可能です。

また、エアコン用の専用回路を増設したいなどの理由から、子ブレーカーを増設したいとお考えの方は、増設用分電盤を隣に設置し配線工事を行うだけでいいので、基本的に分電盤をまるごと交換する必要はありません。

しかし分電盤が破損している場合や、分電盤が古いタイプで漏電ブレーカーが付いていなかったり、単相2線式と呼ばれる旧式の分電盤を使用している場合は、アンペアアップや子ブレーカーの増設のついでにあわせて交換工事を行うことがあります。

特に単相2線式と呼ばれる分電盤は200Vの機械に対応していませんし、設置時期が1980年以前といわれており、設置から40年以上経過していることになります。
現在でも古い分電盤を使い続けているという方は、ブレーカーが落ちるなどのトラブルも増えてきますので、大きな事故が起きる前に交換工事を行うことを推奨します。

自宅の分電盤は交換が必要なのか、分電盤が不調なのかわからないという方は、下記のような症状を目安にするとよいでしょう。

分電盤交換の目安

・分電盤を設置して13年以上経った

・漏電ブレーカーが付いていない
・分電盤が熱くなっている
・分電盤から異音がする
・分電盤が破損している
・分電盤が変色している
・分電盤に焦げ跡がついている
・電気を使いすぎていないのにブレーカーが落ちる

上記に当てはまる方は分電盤の交換をお考えになるといいかもしれません。

施工事例紹介

先日お客様からのお問合わせで分電盤の交換工事を行いました。

お客様のお悩みは現在の自宅の電力契約は30Aだが、分電盤自体が古いためゲーミングPCとエアコンとそのほかの待機電力でブレーカーが落ちてしまうとのことでした。
ご要望はゲーミングPCを同時に複数台利用できるように分電盤の交換工事をして欲しいということで現場に伺ってきました!

また、あわせてエアコン用の専用回路を設けたいとのことでしたので、200Vの機械が使用できる単相3線化の工事を手配する必要があります。

現在使用されている分電盤がこちらです。
古い分電盤で、左側のアンペアブレーカーの下から出ているケーブルが赤と白の2本なので、単相2線式の分電盤であることがわかりますね。

また右側の子ブレーカーを見ると、全ての子ブレーカーに配線が繋がっていることから、どうやら専用回路を設ける空きがないようです。

単相2線式とは?

分電盤

左の分電盤は単相2線式、右の分電盤は単相3線式で、それぞれ白・赤の2本の配線と赤・白・黒の3本の線が見えていると思います。
性能の違いとしては単相3線式は200Vまでの電化製品が利用できますが、単相2線式は100Vまでしか利用することができません。

単相2線式分電盤は1980年頃まで一般家庭でよく使用されていたタイプですが、古いお宅では、いまだに使用されていることがあります。
単相2線式は30Aまでしか引き込めないことや、電圧が100Vまでしか使用できないため、リビング用などの高出力なエアコンや、食洗器やIHなどの200V対応家電を利用することができません。

使用電力量が契約アンペア数より大きいためブレーカーが落ちてしまうという場合や、専用回路を増やしたいが子ブレーカーに空きがないという場合は、電力会社との契約容量を上げて、増設用分電盤を隣に設置するだけでも対応できますが、今回のケースは、子ブレーカーに空きがない上、単相2線式の分電盤なので本体ごと交換工事を行いました。

工事完了

こちらが交換工事が完了した新しい分電盤です。

単相3線式への切替え工事を行い、ゲーミングパソコン用回路を3系統増設しました。
これで40A以上の契約に変更することができるようになったので、60Aの契約に変更しゲーミングPCを複数台用に3系統とエアコンの専用回路を2系統増設しましたが、同時に稼働してもブレーカーが落ちることが無く使用できるようになりました。

また、今後のことを考えて系統を増設となっても、問題ないように余裕を持った子ブレーカーの個数を持つ分電盤の選定となっています。

まとめ

近年は、ゲーミングPCと呼ばれる消費電力の大きいパソコンを使用する方も増えています。
最近のハイスペックPCだと最大で600W以上消費するものもあり、合わせてモニターなども使用しますので1系統につきゲーミングPC2台〜3台程度で使用するのが安定して使用できる台数となるでしょう。複数台同時に使用するとなると系統の分け方を計算する必要がありますね。

みなさまも、ブレーカーが落ちやすいというお悩みや、自宅で古い分電盤を使っているなど、電気のお困りごとがございましたら、ぜひ気軽に弊社にご相談ください。

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