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半導体不足はなぜ起きた?いつまで続くの?

公開日: 最終更新日: 2024年06月19日 水曜日

いたるところで耳にする半導体不足
身近なところでいうと、家電業界や自動車業界における半導体不足を実際に体感している方もいるのではないでしょうか?いつまでたっても新車が納車されない。何ヶ月、何年待ち…というのも珍しくありません。

ゲーム機や家電製品などの品薄や価格高騰が続く中、なにかと「半導体不足」を理由に説明されますが、そもそも半導体不足とは何が原因で、いつになったら解決する問題なのか考えたことはないですか?
今回はそんな半導体不足になった原因と、これから半導体不足はどうなっていくと予想されるかについて解説します。

半導体とは

半導体は電気をよく通す「導体」と電気を通さない「絶縁体」両方の性質を持つ特殊な物質です。
一定の条件下で使用することで導体・絶縁体のどちらの役割も果たすことができる特性を生かして様々な製品に使われています。主な原料としてはシリコンが挙げられ、これはキッチン用品などによく使われるシリコーンゴムと名前が非常に似ていて原材料も同じものですが、実際にはまったく別物です。

半導体が使われている製品

スマートフォン
ゲーム機
パソコン
デジタルカメラ
テレビ
洗濯機
冷蔵庫
エアコン
 など精密機械のほとんどに欠かせない部材です。

そして弊社の取り扱い商材である太陽光パネルPowerwallエコキュートなどにも半導体が使われており、そのどれも品薄状態が続いています。

自動車業界のように、納品まで何ヶ月待ちや納期がつかないという状況も珍しくなく、不本意ながらお客様にご提案できない品物も出てきてしまっている状態です。

半導体が不足するとどうなるの?

自動車

半導体が不足することにより様々な製品を製造できなくなると、品薄状態が続くだけでなく、現存の商品の値段が上がることも考えられます。

先日もトヨタ自動車が生産計画を発表しましたが、国内の工場の稼働停止日を設けるなど、生産台数を調整し、これまで970万台としてきた今期の生産台数の見通しを下回るとしました。

また、iPhoneなどスマートフォンの価格の高騰にも、半導体不足が関係しているといわれています。
実際に値段が上がり続ける中、新品ではなく中古のiPhoneもユーザーからの需要が拡大しているため、最近では買取額も高くなっているようです。

半導体不足の原因は?

では半導体不足は何が原因で引き起こされたのでしょうか
そのはじまりは2019年からとされています。

①半導体の生産低下

はじめに大きな影響を与えたのは2019年12月から発生した、新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックでした。
大規模な感染拡大を予期した製造メーカーは半導体の需要が低下すると予想し、生産数を抑える措置を取りました。
実際にコロナ禍となり、各地でロックダウンが実施された影響などからさまざまな電子機器の製造工場が停止したこともあり、需要が低下したことは事実でした。

②急激な需要の拡大

パソコン

しかし、コロナ禍によってテレワークやリモート授業が一般的となりPC、タブレットの需要が急激に高まり、さらに通信方式が5Gに変化したことや、スマート家電の拡大などが合わさり、半導体の供給が追いつかなくなってしまったのです。

また2020年9月頃から自動車関連企業の急速な回復によって、さらなる半導体不足を招き、需要と供給のバランスは大きく崩れてしまいました。

市場調査会社OMDIAによる資料では、2025年以降も半導体の需要はさらに増加していくとされていて、各業界の拡大のために半導体はこれからも欠かせない材料であることがわかります。

③整わない生産体制

工場

これだけ需要がある半導体であるにも関わらず、製造メーカーには多くの苦難が続いています。

半導体生産工場の多くは老朽化が問題となっていて、実際に工場設備の老朽化が原因で多くの工場が稼働停止を余儀なくされました。
また、かろうじて稼働していた工場でも国内外問わず各地で火災が発生し、工場の停止、または復旧に多くの時間を要しました。

しかし工場に降りかかる災難は火災だけに留まらず、2021年2月にはアメリカテキサス州の寒波で大規模停電により生産停止、2021年9月中国では電力消費の拡大が問題となり、国全体で節電対策の一環として行われた大規模停電で工場が稼働停止するなど、各地の工場でトラブルが相次ぎました。
また、波のように幾度となく繰り返されるコロナウイルスの流行も合わさって、一向に生産体制が整いません。

この間、2020年12月からの米中間の貿易摩擦も大きな問題となりました。自国内での雇用減少や貿易赤字が大きな問題になっていたアメリカは、中国に対し大手半導体メーカーを含む多くの企業からの貿易を制限する措置を取りました。
このことから中国の輸出量は大きく減少し、アメリカはその分の半導体製造を台湾に委託しましたが、そもそも半導体製造が集中していた台湾では生産が追いつきませんでした。

④深刻なコンテナと働き手の不足

コンテナ

コロナ禍によって引き起こされた影響は工場の停止だけでなく、世界の物流にも大きな損害を与えました。

巣ごもり需要が高まり『Amazon』などのネットショッピングでの購入者が増大したことによって、運搬物が非常に増えたため、運送業の仕事量は増加したものの、アメリカ最大規模の臨海物流拠点であるロサンゼルス港、ロングビーチ港では外出自粛やロックダウンの影響を受け、港の作業員やトラック運転手の人手が足りなくなってしまいました。

そのため荷降ろしが追いつかず、本来世界中で使いまわしていたコンテナがアメリカの港に溜まり、コンテナが不足してしまったのです。
コンテナはその製造の9割以上が中国に依存しており、先にお話した米中貿易摩擦の影響で、大幅に輸出量を減らした中国はコンテナの製造も減らしていたため、コンテナ不足に拍車をかける結果となりました。

⑤ウクライナ情勢の影響

半導体

2022年2月より現在まで長期化しているロシア・ウクライナ間の戦争状態も、半導体不足を後押しする一因となりそうです。
半導体製造に欠かせないレアガスレアメタルなどの原材料がロシア、ウクライナに依存しているため供給が途絶える懸念があるのです。
特にウクライナは半導体にレーザーで回路を描く際に使用するネオンガスに関して、これまで世界供給量の約70%を担っていました。

各製造メーカーは戦争の長期化を予期してネオンガスを貯蓄しているため、事業に大きな影響はないと見解を示していますが、70%の供給量を埋める調達先をすぐに探すのは容易ではないでしょう。これから先、終わりの見えない戦争状態が続くことを考えるといずれもたらされる影響は大きくなると予想されます。

半導体不足はいつまで続くの?

これまでお話したように半導体不足は各国が抱える複数の要因が関係していて、ひとつの要因を解決したところですぐに解消する問題ではありません。

2021年頃には各主要メーカーや業界のアナリストたちの多くは、2022年の後半には解決に向かうだろうと予測していました。
当時から中国やアメリカが中心となって半導体不足を解消しようと生産体制の拡大に力を入れており、急速に工場の稼働体制を整えているあまり、2023年には生産量が追いつき、2024年には供給過多となるという意見も多く出ました。

ですが、現在も半導体不足の問題に解決の兆しはありません。2023年に入ってからもダイハツ工業は1月20日、半導体不足の影響で部品の供給が滞っていることを原因に一部工場の操業停止を発表、さらにレクサスも納期遅れで受注を制限、ホンダの三部社長も「いまだに先が見ない状況が続いており、1月も半導体不足の影響で計画よりも減産している」とのことでした。

IntelのCEOパット・ゲルシンガー氏は2021年に自身が発言した「半導体不足は2023年まで続く」という意見を2022年の4月末にニュース番組に出演した際は、「以前の予想を1年上回り、2024年まで続くと予想している」その原因としては、「(半導体不足が)工場設備の調達に大きな影響を与えている」と改めて発言しました。
半導体不足を解消するための生産体制の拡大計画ですが、またもや半導体が足りないことから工場の新設が難航するという問題を招いているようです。

それでも日本では半導体不足を解消するべく、世界最大手と言われる台湾の半導体ファウンドリメーカーであるTSMC(台湾積体電路製造)の新工場を国内に誘致し、生産体制を強化する狙いです。総額は約1兆円規模の工場になるといい、2024年末に出荷開始を目指すということです。そのころには半導体不足も解消に向かっていることを祈るばかりです。

まとめ

最近何かと耳にする半導体不足についての原因といつまで続くかの予想についてお話しました。

さまざまな事情が絡み合って起こっている問題だというのがお分かりいただけたと思います。
ひとつの問題が解決しただけでは前に進めないので、事態の収束はまだ先になりそうです。
先の見えない不安が続きますが、ひとまずは2023年、2024年の解決に向けた世界の動きに注視していくほかありません。

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