【実践】もう失敗しない!LED照明の選び方のコツと注意点
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最終更新日: 2024年06月19日 水曜日
いまや当たり前のように私たちの暮らしに浸透しているLEDですが、意外と今でもトイレの電球だったり、使用頻度の低い場所のような一部ではいまだに白熱灯や蛍光灯を使い続けている、ということはあると思います。
頻繁にやる機会はないものの、忘れた頃にやってくる電球交換。
LEDに変えたら『眩しすぎる』、『色味が合わなかった』『よく見て買ったはずが、サイズが合わなくて結局使えなかった』など電球交換の失敗経験がある方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、LED電球の光の種類や、LED照明の選び方におけるコツや注意点を詳しく解説していきます。
記事後半では実際に自宅の電球を交換してみた様子をお伝えしますので、ぜひ参考にしてください!
電球の種類と特徴
白熱灯の特徴
白熱灯といえば寝室やトイレによく使用されていて、オレンジがかった温かみのある色が特徴です。
非常に安価なものの、本体が発熱しやすく、体感温度や室温に影響を与えます。
これは、白熱灯は電気を光に変換する効率が低く、発光よりも多くのエネルギーが熱として放出されるために発熱が生じます。このため他の2つよりも消費電力が高く、寿命が短い傾向にあります。
蛍光灯の特徴
蛍光灯は広い範囲を照らす能力に長けているので、オフィスや学校、病院のような広い場所で使用される事が多いです。
これは蛍光灯が持つ特徴が影響していて、白色系の光を放ち、自然光に近い光を放つため、視認性が高く作業効率を上げるためとされています。
さらに蛍光灯は、白熱灯よりも省エネルギーで、長時間使用する場合にも、比較的電気代を抑えられます。一方で、点灯時にチラつきが生じる場合があるため、目の疲れや頭痛の原因になる可能性があります。
最近では、製造にわずかながら水銀が使われていることから、2027年末での製造が禁止されるというニュースもありました。
LED電球の特徴
LEDの特徴といえば、長寿命かつ省エネであることです。
一般的にLED電球は約40,000時間が定格寿命とされています。これに対して、白熱電球は約1,000~2,000時間、蛍光灯も約6,000~12,000時間程度の寿命となります。毎日8時間使用する場合単純計算で、白熱電球は、約4ヶ月~約8ヶ月、蛍光灯は約2年~約4年、LED電球は約13年8ヶ月使用することができます。そのためLED電球は電球交換の手間と費用を減らすことができます。
また、LED電球はもし蛍光灯のLED化をするのであれば器具ごと交換するか、バイパス工事しないと電気代削減のメリットがなくなってしまいますので
蛍光灯のLED化を検討されている方はお近くの電気工事店までご相談ください発光効率が良いため、優れた節電効果をもたらします。従来の白熱電球は、約100Wもの電力を消費しますが、LED電球は同じ明るさを維持しながら、わずか10W程度の電力しか消費しません。つまり、LED電球の利用によって、電気代の大幅な削減が可能になります。
しかし技術の進歩で安価になってきたとはいえ、他の2つに比べると本体価格はやや高めといえます。また、白熱灯のように熱を発しづらいため、安全性が高いのもメリットの一つです。
LED電球の明るさの種類と色温度
明るさの種類
電球には「60形」や「60W相当」という書き方がされていますが、形とか相当ってどういう意味?と思われるかもしれません。
一般的に「60形」と「60W相当」は同じ意味で、電球の形状や消費電力のWについてではなく、従来の白熱電球の明るさをLED電球で再現する際に使われる表現です。
これらの表現は、消費者にとって白熱電球からLED電球への移行をスムーズにするために使われていましたが、昨今は同じ消費電力以下でLEDがより明るい光を発することができるようになってきました。これにより、従来のワット数だけでは比較が難しくなり、光の出力を直接示す単位であるルーメンが使われるようになりました。
LEDの色温度
LED電球の光の種類には、色温度によって「電球色」「温白色」「昼白色」「昼光色」の4つがあります。
色温度は、光源が放射する光の色を表す指標で、単位はケルビン(K)です。数値が低いほどオレンジ色っぽく見え、高いほど青みがかって見えます。
電球色
温白色
昼白色
昼光色
Panasonic公式HPより引用
電球色
:約3,000Kの色温度で、暖かみのあるオレンジ色が特徴です。寝室やトイレのようなリラックスしたい場所に適しています。
温白色:約3,500Kの色温度で、落ち着いた薄いオレンジ色が特徴です。リビングやダイニングなど家族団らんの場所に適しています。
昼白色:約5,000Kの色温度で、自然な活き活きとした光色が特徴です。化粧部屋や服を選ぶ部屋、キッチンなど、色味を正確に確認したい場所に適しています。
昼光色:約6,500Kの色温度で、青みがかった色合いが特徴です。オフィスや書斎、作業部屋など、集中力を高めて作業する場所に適しています。
演色性について
電球の演色性は、照明によって物体の色をどれだけ自然に再現できるかを示す指標です。一般的には「色の再現性」とも呼ばれます。この指標は、色温度とは異なり、物体の本来の色をどれだけ忠実に再現できるかを評価します。
演色性は、Ra(一般的にはCRIとも呼ばれます)と呼ばれる指数で表されます。Raは0から100までのスケールで示され、高いほど自然な色再現が期待できます。
一般的に、80以上のRaから高演色性とされ、90以上のRaを持つ光源は、色の差異がほとんど感じられないほど自然な光だといわれています。
食品を美味しそうに見せたり、人や商品などを自然により、よりきれいに見せるためには、高い演色性を持つ照明を選ぶと良いでしょう。
LED照明の選び方のコツと注意点
明るさと色温度に注意
長く使用していた白熱灯から新品のLEDに交換したところ、眩しすぎて目がチカチカする、トイレの電球を昼光色に変えたらなんとなく落ち着かない…など、照明の色味が与える印象というのは重要です。
あるお寿司屋さんでは、長く白熱灯を使用していたところを蛍光灯に変えたらネタの色が悪く見えるという話があったそうです。
例えば、お客さんにリラックスしてもらいつつ、料理を美味しそうに見せるためには温白色・昼白色の電球を、厨房は昼光色を選ぶことで清潔感があり、集中しやすい環境を整えるなど、シチュエーションに合った電球を選んでください。
口金の確認
電球交換をする際には、まず口金の確認をしましょう。電球の差込口となる接続部分のことで、住宅で主に使われているのはE17かE26というサイズが主流です。
誤った口金の電球を使用すると、取り付けができないだけでなく、無理やり付けようとすると故障の原因にもなりますので、自宅の口金も、購入する際も必ず確認するようにしてください。
実際にかつて母が自宅のキッチン上の蛍光管を交換する際、ちゃんと写真を撮っていったのに、サイズを間違えるということがありました。面倒くさがらず、一度外してそのまま店舗へ持っていく方が確実です。
また、場合によっては蛍光灯のLED化をするのであれば器具ごと交換しないといけなかったり、バイパス工事しないと電気代削減のメリットがなくなってしまいますので、蛍光灯のLED化を検討されている方はお近くの電気工事店までご相談ください。
ランプシェードやペンダントライトの場合
ランプシェードやペンダントライトの場合、差込口の口金のサイズはもちろん、電球のサイズも気をつけなければならない場合があります。シェードの広さやペンダントの入口部分のサイズによって電球を取り付けできない場合があります。今使用しているものと同じサイズで選択するのが無難でしょう。
電源のオフ
電球交換を行う際には、必ずスイッチをオフにしてから作業を行いましょう。電源が入ったまま作業をすると、感電や火災の危険性があります。
直前まで使用していた場合、電球が高温になっているので、しばらく時間を置くかやむを得ない場合は手袋などを使用してください。
家電量販店で購入
ネットや家電量販店ではさまざまな種類の電球が並んでおり、迷ってしまうこともあります。光の強さや色など選び方がわからない場合は、家電量販店のスタッフにおまかせして適切な商品を選んでもらう、というのも一つの手です。
その際、今まで使用していた電球を持っていけば、口金を間違えることもありませんし、使用する場所やシチュエーションを伝えれば、効果的な選び方や使い方についてもアドバイスをしてもらえるでしょう。
店舗で実際にディスプレイされている電球を目にすれば、交換後のイメージもしやすいです。
実際に電球を交換してみた
初めて電球を交換するのでこれから交換する人の参考になると幸いです。
実際に自宅の洗面台で未だに現役だった電球をLEDに変えてみます。
現在使用している電球を交換するに至った理由は以下の通り。
不満点①:電球が高温になる:引っ越してきたときから備え付けだった洗面台と電球。点灯時にふと触ってみるとかなり高温で、元々洗面台が古い造りなのもあり火事が心配。
不満点②:洗面台なのに電球色:普段身だしなみの確認する洗面台なのに、オレンジ色の電球色が使われているため、肌の色や服の色が正確に見えないところが不満。
懸念点①眩しすぎないか心配:古い洗面台だからか、電球にカバーなどがなくむき出しで使用するタイプ。色かつ、もともと長く使っている電球なので、きっと現在は光量もある程度落ちていて、これを新品のLEDの白っぽい光に変えたら眩しすぎないかな?と心配。
早速外してみる
長く使った洗面台の電球を取り外してみます。
右側の電球の口金には「EFA15EL10H2」と型番が書いてあります。調べてみるとすでに生産終了したPanasonicの蛍光灯でした。電球型の蛍光灯というものを知らなかったのでちょっとびっくりしました。パッケージを見てみると「60形」の「電球色」だと書いてあります。
左側も同じ電球だろうと思って外してみると…「LDA8L-G-6T2」というアイリスオーヤマの電球色のLEDでした。こちらもすでに生産終了した型番です。
どちらも同じ電球だと思っていたら…。母に話を聞いてみるとどうやら引っ越して来てしばらくしたあとに左側の電球だけが切れて、数年前に交換していたようです。左右違う電球だったのに全然気が付きませんでした。
さらによく見ると口金にカビが生えていました。我が家のお風呂場と洗面所はとても湿気が溜まりやすく抜けにくいので、劣化しやすい環境だったかもしれません。
洗面台にこんな注意書きが
電球の取り付け部分に「40W」まで、という注意書きが…これはおそらく白熱灯をつける前提で、消費電力が40Wまでのものをつけてください、という意味でしょうか。今どきのLEDは60W相当の電球でも実際の消費電力は6~8W前後なので、全く問題ありませんね!
新しいLED
ORALUCE LED電球
E26口金 50W相当 昼光色
今回はAmazonでこちらの電球を購入しました。
口金もしっかり確認してE26、色温度は電球色から昼白色へ!
高演色性で洗面台にはピッタリなはず!と思いましたが、唯一迷ったのが明るさでした。同じにするなら60Wが無難だけど、色味も変わるしむき出しだからなあ…でも40Wで暗かったら嫌だなぁと迷っていたところ、こちらの電球には間の50Wの製品がありました。
電球には40W、60W、100WというW数の製品が多くて、実際に近所の家電量販店には50Wの電球は売っていなかったので、優柔不断な私は50Wが決め手になって購入しました。
交換作業
手に持ってすぐに感じたのは、ものすごく軽い!でした。サイズもさることながら、この電球は重さが25gで以前の半分以下でした。技術の進歩を感じます。
交換前と後を実際に交換するとこんな感じです。
左側が以前使っていた電球色の蛍光灯で、右側が今回交換した昼白色のLEDです。
カメラ越しだとオレンジ色の光が分かりづらいですが、洗面台の色が大分違って見えますね。鏡に写った自分の顔も感動するくらい違って見えました。
正直こんなに変わると思わなかったというくらい肌色の見え方が大きく変わって、いままで損していたかも、と思うほどでした。
明るさもすごく変わって、写真だと少し分かりづらいですが、壁の明るさを見ると、交換前の方は電球自体が影になっているのに比べ、交換後は壁の奥まで少し明るくなりました。配光が広くなった関係もあるのでしょうか。
60Wの電球色から50W昼白色へと10W下げたものの、明るさは以前よりも上がっていました。
また、懸念していた眩しすぎないかという点も、10W下げたことが功を奏したのか目がチカチカしないのに見やすいというちょうど良い明るさでした。
まとめ
自宅の電球交換をきっかけに電球について調べてみましたが、思った以上に効果が実感できました。
電球の交換は、節電や環境への配慮にもつながりますが、なにより電球の色一つで気分も大きく変えることができます。なんだかしっくりこないんだよなあという照明が自宅にあるという方は、ぜひこれをきっかけに交換してみてはいかがでしょうか?
光の種類を理解し、注意点を活かして失敗しないように節電と快適な照明環境の両立を目指しててみてはいかがでしょうか。